こ わ れ た タ ー ク ネス湖に入ったタークは、元気に泳ぎ始めました。 あちらのお城の岸辺、こちらのお城の岸辺と泳いでは休み、 泳いでは休みを繰返していました。 三日程経った頃タークは、壊れていました。 タークは、草木やお花そしてお魚や湖にまで 『ライン姫は、どこですか』って聞いていました。 もちろん返事など帰って来ませんが聞きつづけていました。 そして急に反対岸まで全速力で泳いだかと思うと今度は、 水中深く潜りました。 妖精は、水面のすぐそばまで来て悲しそうな顔をしてタークを 見つめていました。タークは、やっぱりライン姫が好きなんです。 いくら叶わないと分かっていても好きなんです。 ある日馬車が、ネス湖の側を通り過ぎようとしました。 タークは、馬車の存在に気付くと必死で泳ぎ、 そばまで行き気付かれない様にライン姫が乗っているか見に行きましたが、 全く違うお姫さまでした。 そんな事が何度かあり、その度に目を真っ赤に していました。エディンバラからインバネスまではかなりあるので 来るわけないと納得しながらまた目を腫らしていました。 そして2年もただ祈るだけの、ただ会いたいって祈るだけの日々を過ごしました。 ただ一回だけライン姫はネス湖のほとりに来た事がありましたが、 もうその頃馬車が来ても反応しなくなっていたタークは、気付きませんでした。 祈り続けるタークは、ある日このままでは駄目だと思い湖を出る決意をしました。 タークが、ネス湖を出る頃水面が、少し高くなっていました。